東京都動物愛護相談センター

昨日は「東京都動物愛護相談センター・本所」へ行ってきました。二子玉川いぬねこ里親会にお誘い頂きました。以下、まとまっていないので後日編集しなおすかもしれません。

「本所」と言ったら、吉良上野介、本所吾妻橋、ってなもんで墨田区でしょう。でも違います、場所は、京王線八幡山駅下車で世田谷区です。駅から徒歩25分、バス停から徒歩10分。環八沿いなので、車だけはビュンビュン通っています。

丁度よいことに、東京都の動物関連施設は古くなっているので、近い将来、現状に合わせた都市型動物センターを作ってほしいです。大阪市・横浜市が今進めている方式を参考にさせていただいたらいいですよね。ま、やりがいがあるっちゃあ、あるんです。

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昨日同様、パンフレットにあるセンターの正面写真です。正門は、環八から横へ入ったところなので、環八からは見えません。環八から見えるのは、ビルの壁面に、縦型看板が掛かっているので分ります。その後ろには煙突が見えるので、「ああ、これが焼却炉・・」なんて震えていましたが、煙突は清掃局のもので、動物の処分はしない施設でした。

正門向かって右に慰霊碑があります。この日は、メンバーのおひとりがお花とお線香を持ってきて下さり、お参りが出来ました。この碑の横が小さな小さなスペースですが、動物の運動場になっており、晴れた日にはワンちゃんが出ているそうです。このセンターには、ふれあい行事の時活躍してくれる、かわいい2頭のワンちゃんがいました。

正門奥に写っている建物の1階の右奥に猫さんがいます。ワンちゃんの部屋は左側の建物の1階です。2階は事務室、3階でお話を聞きました。
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お話は1時間~1時間半とのことでしたが、質問が入り2時間以上話になりました。2日前、センター主催の見学会は2名しか来なかったそーで、宣伝不足でしょう。「古くて汚くて恥ずかしいから」とか。ご冗談を、静かにやっていたいのでしょう。

お話の後、収容動物を見せて頂きました。「狭いので」とのことでしたが、狭かったです。都のセンターの本所とは思えない、ありえない狭さ。ワンちゃんは、収容が減っていて、中型以上は、3頭でした。幼いけど大きなおててのクリームちゃん、中年ゴールデン風ちゃん、若いハスキー風ちゃんでした。小型は、10頭弱?みんな汚れていて、要床屋さん状態でした。
職員さんったら、「今は雑種が減りました」などと仰る。「えー」ってなもんです。「茨城県のセンターは雑種ばかりですよぅ」なんてどなたかが小さく叫んでいました。まあ、現場の人ではないのと、実際、このセンターはペットショップのようでした。横浜市もそうでした。

次は猫です。キャー、仔猫ばかり。全く見分けの付かない縞のチビが5頭だか、全員格子をよじ登って張り付いています。1歳くらいのかわいい白地にあわい模様の2頭以外は、全部仔猫でした。ざっと20頭強でしたか・・。
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東京都福祉保健局管轄で、都内に3箇所あり、他に多摩支所、城南島出張所があります。1950年狂犬病の法律が出来た時、本所を開所したとのことでした。犬の登録制度も確立し、野犬が少なくなったため、処分施設の大きなものを城南島に作ったが、今はいらなくなったそうです。

因みに、現在の犬の収容数は1955年5万数千頭→平成2年3万頭→平成22年5千頭と減少しているいうことでした。収容動物の一部は、譲渡会で希望者に譲渡しますが、都の場合、講習を受けた人で、ここまで出向いてでも家族に迎えたいと思う人にしか譲渡しないとのことです。また、団体譲渡を開始してから、年400頭からの犬が救われており、平成21年には、猫も400頭から引き出されたとのこと。それでも、殺処分は3700頭、仔犬9頭、成犬244頭、仔猫2714頭、あとは成猫ですね。

病気の動物を見捨てる飼い主がいます。かわいそうな高齢で病気の犬を引き取ってお世話しようという方もいるので、そういう方と連携して何とか幸せな最期を迎えさせて上げられたら244頭も更に大きく減少するのではないか、と思いました。

次に猫です。仔猫が殺処分の7割を占めているということで、もう何をすればよいか答えが出ているんですよね。ま、色々な数字のお話しがありましたが、どこかに書いてある話でしょうから割愛です。

職員の方によると、都では、猫についてこんなことをしています。
都が進める猫3原則:屋内飼養、避妊去勢、身元表示
共生支援事業として地域住民の合意のもと、地域猫推進。
地域猫に取り組んだ地域では、明らかに野良猫が減少している、とのことでした。また、最近では、仔猫を生んだ雌猫には、子育てに専念させ、授乳が終わったら、捕獲避妊、仔猫は里親探し。これが1番理想的な進めかたと考えているそうです。
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犬については、日本は登録制だし、狂犬病注射も行き渡っています。しかし、アジアは、狂犬病の犬に噛まれた死亡者が多い地域で、カウントできていない国もあるとのこと。コンテナには猫やアライグマが入っている場合もあり、あらいぐまの狂犬病は、日本でも発見されたことがあるようです。そこで、水際で止める努力はしていますが、口蹄疫同様、いつ何時上陸するとも限らない状況だそうです。噛まれた人間の死亡率は100%なので、ぜひ覚えて置いてください、とのことでした。WHO調べでは、世界で年間55000人が死亡しているそうです。

なお、センターでは、野犬狩りなどはなくなりましたが、今は「動物取扱業者」の取締り強化で多くの時間を費やしているそうです。業者数が3500件でしたか、ともかく多いそうです。いつものことですが「しかしながら、生計を立てている方々に対して、役所に権限を持たせて云々するのはよくない」というようなことでした。ま、包括的でしたが、優等生的なお話で・し・た。
by ihibou | 2011-06-18 22:04 | 保護活動見学など | Comments(0)
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