動物愛護管理のあり方検討小委員会(第15回)

暑いです。午後4時半現在、2階の気温は32度です。猫様たちは、「暑いよ」と報告に来ました。何処へ行ったらよいのか、それぞれ困っています。

今日は、記録にもならないけど、一応行ったので、6月24日小委員会傍聴のことを書きます。生協が遅くて遅刻、しかも1時半開始だと思っていました。結構ぎっしり座っているように見えました。男女比は4分6か55。取扱業の方がみえているのかもしれません。平日昼間の場合、圧倒的に女性が多いことを思えば、男性が多かったのです。高い値段の貸し会議室なので冷房も効いていました。

この日検討された案は、パブリックコメントにかけるためのものです。パブリックコメントを見ようという箇所が多くあり、委員も市民の反応をぜひ見たいと思っているので、パブリックコメントはとても大事です。丁寧なコメントを送るべきだと思いました。問題が山のようにあるので、大事な問題が取りこぼされないようにやりましょう。
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6月24日(金)午後1時~3時半 当日配布資料の詳細はMore
この会議の議事要旨と議事録は後日コチラに出ます。現在は第14回までが出ています。第15回を見たければ少し日を置いてから更新してください。→コチラ 
なお、「中央環境審議会動物愛護部会」→コチラ の中に小委員会を設置して今回の議論がなされています。すなわち「動物愛護管理のあり方検討小委員会」ってことです。

挨拶の後、事務局男性が「資料2 動物取扱業の訂正化について(案)」を読み上げました。この文案は誰が作ったのか、という質問が議論の途中でありまして、「事務局が作り責任は委員長にある」と林委員長から返答がありました。

林委員長が議事進行。
林「これをまとめたら、パブリックコメントにかけるのだから、今日は具体的な文言まで整えたい」
「2点ある。憲法に関係する件や動物を特定するほうがよい要件があるが、これは専門家に伺いたい。また、科学的に解明されていないが多くの方が常識的に問題と思うような部分もある。」と仰って議論が始まりました。
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法律系委員はお三方、青木、打越、磯部(遅刻)各氏でしたが、打越さんが冴えていて、また大変よく実情を理解しつつ、これまでの議論の流れも汲みながらお話しなさいました。また、ともすると、多岐にわたる問題が列挙されているので、議論されずに見過ごす問題もあるらしく、その辺の指摘も丁寧にされていました。

愛護団体に近い方々では、加隈、野上、水越、山口の四人の女性の適切な発言が多かったです。
気になったのは、一部男性委員は、愛護団体の譲渡会についてすら、あまり分っていないことでした。典型的な反応は、こうです。
「譲渡会では、医療費の実費に加えて会にご寄付をなんていうところがあるそうですね」と苦々しく言ったりします。これは、別の場所でも同じパターンで耳にした話です。大半の団体がやっていないことなのに、知っているぞとばかりに一言言うのはよくないと思いました。
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議事は番号順に進みました。
(1)深夜の展示・販売規制(2)移動販売(3)インターネット販売(4)オークション市場
ペットの取扱形態に関する問題。これが、憲法に書かれているから、とか、科学的根拠があるから、ではなく、社会的通念に照らして不適切なら規制すべきは規制しよう、となった部分です。この委員会では(1)~(4)は禁止と言っていました。(1)などでは、「8時までにするけれど、8時過ぎに奥で売買はしてよいのか」などの再認識もありました。もちろん「だめ」ということでした。

野上さんからは、「動物とは何ぞや、動物は「もの」ではなく、個々に習性を持つ命あるものです。この法律も動物福祉、動物に近寄る側に立った法律でしょう。」「私のやっている爬虫?両生?類や魚まで入れると、中枢神経を持ち、苦痛を感じる、から外れるとはいえ、これはもう生態系の問題です」「登録していない人も昆虫市などに参加しています」

地方自治体のお祭りなどでイベントとして、数十の業者が自治体に登録手続きをして「昆虫市」とか銘打って売ることがあるようです。これの窓口をやっているらしき方からは、「あまり厳しくしなくても」と発言されました。そのまま進行しましたが、どうなるのか。

途中で、びっくりしたのが、以下です。
打越さんの発言をきっかけにやりとり。「愛護団体も業者に入れようという議論ですが、譲渡は販売か」「いや、売買契約を結ぶのではないから、実費は別です」「それでは、業者が売れ残りを格安で移動販売するのとどう区別をするか」この時、打越さんが「愛護団体について、もう少し議論を深めておくようにしたい、何も話し合っていませんよね」と言ってくださいました。

(1)~(4)だけでも、定義が大変。そういう意味で、悪質な業者の逃げ道に使われないよう、愛護団体が、きちんと区別される必要がありそうでした。
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(5)犬猫幼齢動物の販売日齢 6~8月齢の議論ですが、パブリックコメントを見よう、とハッキリ言っていました。
(6)繁殖制限措置 母体の問題で、生涯5~6回。現行では具体数がないので数字を入れ、パピーミルを規制できるようにする。
(7)飼養施設 この資料では意見の羅列になっている。種別で異なるなど集約しにくいが、総論として、科学的数字基準が必要だろう。パピーミルが各地で問題になっているので法律を作るのだから、きちんとしよう。施設を見せる、5つの自由、ケージの間隔、日照・・。
(8)業種追加の検討(動物の死体火葬・埋葬業者)(9)業種追加の検討(両生類・魚類販売業者) (1)と関係する。立ち入り調査するのは困難。業種を区切って云々しておこう。
(10)業種追加の検討(老犬・老猫ホーム、動物愛護団体)
野上さん「愛護団体、動物専門学校も公益性がある」
打越さん「愛護団体は別枠でやり、どこかで議論する必要がある。多頭飼育の件など」と話している時、「愛護団体は、動物の飼養・譲渡をしていて、捕鯨反対などの動物保護団体とは違う」なんて確認がありました。大勢の多種多様な人が集まって議論すると、こ~んなことまで再確認が必要となるのね、びっくり。
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ここで時間切れ、次回へ。







配布物表紙
「中央環境審議会動物愛護部会 
動物愛護管理のあり方検討小委員会(第15回)
日時:平成23年6月24日(金)
13:00~15:30
場所:航空会館701+702会議室
港区新橋1丁目18-1 航空会館7階

議事次第
1 開会 2挨拶 
3 議事 動物取扱業の適正化に係る議論の総括
4 閉会

座席表 
概要:正方形の机に座長以下委員。座長向かい側に動物愛護管理室長、審議官、事務局。他に速記者、事務局。
この正方形の右手に傍聴席前列:20席 関係省庁、報道関係者、後列5列だか一般傍聴席。

委員名簿
林 良博   東京農大農学部教授=委員長 
青木人志   一橋大大学院法学部研究か教授
磯部 力   国学院大法科大学院教授
井本史夫   (社)横浜市獣医師会
臼井玲子   (公社)日本愛玩動物協会理事
打越綾子   成城大学法学部准教授
浦野 徹   熊本大学生命資源研究・支援センター長、教授
太田勝典  全国ペット協会副理事長
小方宗次   ヤマザキ学園大学准教授
加隈良枝   帝京科学大学生命環境学部講師
斉藤富士雄 長野県動物愛護センター所長
渋谷 寛   弁護士・ペット法学会事務局次長
永村武美   (社)ジャパンケンネルクラブ理事長
野上ふさ子  NPO法人地球生物会議(ALIVE)代表
水越美奈   日本獣医生命科学大学獣医学部講師
山口千津子  (公社)日本動物福祉協会獣医師調査員
山崎恵子   ペット研究会「互」主宰
渡辺眞子   作家
 
配布資料一覧
資料1 : 今後の予定について(案)
7/20 7/29 8/3 8/30 8/31 9/27 9/28
資料2 : 動物取扱業の適正化について(案) ・・・全部で6ページと4行
1 検討の経緯
2 各論(1)深夜の展示・販売規制
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この資料2には左端に数字が打ってあり行数に相当する。
委員限りの資料 : 参考資料(これまでの小委員会資料の抜粋)
by ihibou | 2011-06-28 23:36 | 動物愛護法関連 | Comments(0)
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