ミミが来た日、ある意味残酷物語

2005年11月27日の夕刻、ミミが我が家に来ました。それは突然でしたが、兆しはありました。この数日前、娘と新宿を歩いていると、猫お譲りします、とありました。「飼えたらいいけどね」と私が言いました。そのココロは、「飼いたいけど忙しくて飼えないですよ」だったのですが、その時、娘は「もう少しすれば」とか呟いていましたっけ。今思えばね、そういうことだったのです。

超多忙だった証に、来た日の写真がありません。子どもたちは持っているようですが、私はカメラなど手にすることがなかったのです。それで娘から貰った06年3月のが、これ。
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次は06年11月、しかも2枚だけ。家中が紙と荷物だらけで、その隙間にミミがいます。
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相当に細い娘と並んで寝ているところですから、まだ小さいのかな。
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ハッキリ言って迷惑、困惑であり、胃が痛くなるようなモノでした。夕刻、娘の帰宅が遅いので待っていると、猫を持ってきました。玄関で何度か出入りがあり、昔風のトイレも持ってきました。抱かされて、抱いたまま黙って「どうするのよ」とずっと考えていました。既に周囲の家族は喜んで騒いでいます。いらない、と言いたいところを、「ありがとう」と言わなければいけないのか、と何度も自問自答して、ようやく、「返して来い」という言葉を収めました。小さな猫を膝に置いて、かんかんに怒っていたわけです。娘がもう少しまともだったら、「返しなさい、今、ママは忙しくて面倒は看られないのよ」と言ったと思います。眺めているような顔をして、黙~って嫌だ嫌だ、と叫んでいました。
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その場で、娘は「トイレは私の部屋に置いていいから」と言ったと思います。よく言うと思いました。記念にずっと娘の部屋に置くつもりです。敵も然る者で、トイレは置いたけど、私が3泊して帰宅したら3日分そのまんまでした。
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どういう経緯でミミを貰ったか、さだかではありません。近所の某通りにあるお店のおばあさんから貰ったとは聞きました。保護活動の預かりさんをしていらしたようです。が、ともかく、娘と連れ立ってそこへ行くような余裕は全くなかったし、けんかになりそうなのでそのままにしていたら、その方は、お引越ししてしまいました。先方はひどい親だ、と思ったことでしょう。しかし、超多忙の家の事情も知らないで、高校生の勝手な「とびきりの企画」を手伝ったのですから、親である私にとっては迷惑で無責任なヒト以外の何者でもなかったのです。まあ、娘が小さければ、こちらももっと動かねばならなかったでしょうけど、微妙な関係の時期でしたからね。娘が娘の出来る範囲で報告やお礼をしていたようです。
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注:返される覚悟もしていたらしく、家の外まで一緒にいらしたようです。それでOKということで帰って行ったらしい。返したらその後の家の中がどんな状態になるか考えたのだろうか、小学生が拾ってきたのとは意味が違う、ったく、とか、そりゃね、色々、色々、思いましたよ。

このように書くと、本当にひどい話ですし、言い訳も出来ないのですが、この時期は、ただただ、物凄く忙しかったということでした。
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返しなさいと言わなかった時点で、私は、朝晩の餌をやる、と、出来る限りトイレをきれいにする(先代猫の教訓)、ことを決意したのです。名前から始まって、首輪がどうのとか、ワクチンがどうのとか、トイレはシステムトイレがよいとかは、時間の余裕がなく、知らなかったのです。ワクチンは、行けと言われたから、一度だけ時間を作って行った覚えがあります。その辺のチャック付きの袋に入れて獣医さんへ行きました。猫グッズなど何も知りませんでした。全然価値観が違った。まあ、今でも猫を飾るとか手厚く品々を用意するということはないのですけどね。
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生後3ヶ月だか6ヶ月だかの元気な仔猫だったから病気もせず、邪魔にならず、ミミはこうして数年放っておかれたわけです。勝手にお膝猫をやっていたし、夜は一緒に眠りました。そして、ようやく時間が出来たので、ミミを飼った当初から話のあった「もう1頭」が実現したわけです。もちろん、当時は論外であり、そういう話は返事もしないような案件でした。兄弟がいるとか言っていたようですが、私には迷惑で不快だったのです。

今朝のミミ。イブーchanのベッドを占拠し、ケージの中の兄弟を睨んでいます。
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2005年に、どれだけ娘を思い飼うことを決意したのか、きっと当事者や家族は分っていないと思います。私は、猫や子どもが好きですが、それと飼ったり、作ったりするのは別問題だと思います。
by ihibou | 2010-11-27 11:10 | | Comments(0)
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